【レビュー】電源ケーブルをお借りして色々聴いてみました

今回は少し文字数多めのブログとなっています。
できるだけ簡潔に…でも情報は多めに、で書いてみました。

今回、多くのメーカー様にご協力いただき、電源ケーブルの比較試聴を行いました。
据置型ヘッドホンアンプ1台、電源タップ1台、静電気対策アクセサリーもお借りして、ああでもないこうでもないと試した結果となっております。

情報サイトの売れゆきランキングではもちろん、様々なレビュー記事でも好評を博しているモデルを中心にお借りできたので、(ディップフォーミング無酸素銅などの注目モデルも!)少しでも参考になれば幸いです。

▶試聴環境について

まずは、お借りした電源ケーブルのラインナップです。

■フルテック 電源ケーブル The Astoria
フルテック電源ケーブルTheAstoria
■フルテック 電源ケーブル The Empire
フルテック電源ケーブルTheEmpire
■クリプトン 電源ケーブル PC-HR1500Triple C
クリプトン電源ケーブルPCHR1500TripleC
■サエク   電源ケーブル PL-9000
サエク電源ケーブルPL-9000
■ティグロン 電源ケーブル MGL-DFA10-HSE
ティグロン電源ケーブルMGL-DFA10-HSE
■ティグロン 電源ケーブル TPL-2000A
ティグロン電源ケーブルTPL-2000A

そして、試聴に利用したアンプとイヤホンがこちら。

■マランツ USB-DAC内蔵ヘッドホンアンプ HD-DAC1
マランツUSBDAC内蔵ヘッドホンアンプ HD-DAC1
■Ultimate Ears UE900(私物)

他にフルテックの電源タップ「f-TP615」、フルテックの3.5mm→6.3mm変換プラグ「CF63-S」を使用しました。電源ケーブルの試聴ではありますが、イヤホンとヘッドホンアンプで各々の電源ケーブルを試すことにしました。
プリメインアンプで試したいのはやまやまなのですが、手元に設置するヘッドホンアンプのほうが電源ケーブルの交換がやりやすいので…。
また、ヘッドホンアンプにHD-DAC1を選択した理由は、据置型で人気機種であることと、3ピン電源ケーブルが挿せること、でしたので今回使用しています。(ただ、HD-DAC1の電源端子は3ピンではありませんでしたね。お借りしてから気付きました…。)

他に、ティアックのUD-505やソニーのTA-ZH1ESも候補だったのですが、今回はお借りすることができず断念…。

▶パソコンのイヤホン端子のみで聴いてみる

まずは、HD-DAC1も何も繋がずに、パソコンのイヤホン端子でデフォルトのサウンドを確認してみます。

正直、聴けないレベルではありません(笑)。私自身、このような状態で音楽をパソコンで聴くことは常々ありますし、特に不満を感じたこともありませんでした。ただ、この後に、HD-DAC1を接続して同様に音楽を聴いてみると…。軽く衝撃を受けました。

HD-DAC1を通すと、音楽の明瞭さがグッとアップし、イヤホンで聴いているのにフィールドが大きくなり、明らかに耳の外側で音が聞こえてきます。低音の響きも強くなり、高音域にきらびやかさがグンと増すように感じます。
「音楽を聴くことが楽しくなる!」
とは、レビューの文言等でよく見かけますが、実際に私もそう感じました(笑)。
「すごい!色々な音源を聴きなおしたい!」
という感じです。まさに衝撃。もしHD-DAC1があれば、パソコン自体のイヤホンで音楽はもう聴かないでしょう。それくらい、ヘッドホンアンプの効果は大きく、さすが今も人気モデルだなという感じです。
(ちなみに以前、オーディオクエストのDragonflyを試聴したことがありますが、あちらも凄かったです。あんな小さい筐体なのに確かな高音質化を可能にしているとは…。)

さてさて…。ここでスタートラインに立ちました。ここから電源ケーブルを交換してみます。
これまで、スピーカーケーブルやラインケーブルなどを試聴したことがありましたが、電源ケーブルは初めてです。どんな効果が体験できるでしょうか…。

▶フルテックの【The Astoria】を聞いてみます

フルテックの電源ケーブルTheAstoria フルテックの電源ケーブルTheAstoriaのオスプラグ フルテックの電源ケーブルTheAstoriaのオスプラグ

フルテックのThe Astoriaは今回、お借りしたケーブルの中では最も安価なモデルです。しかしながら、The Astoriaのコストパフォーマンスは非常に高く、各種レビューや一般レビューでも高評価を得ています。導体はPC-Triple C、電源プラグとインレットプラグはフルテック製のものです。
感想としては「The Astoriaは音がパワフルに押し出されてくる」印象を持ちました。HD-DAC1の素の状態でも十分に楽しめていたのですが、さらに全体的にドッと溢れてくるイメージでした。高音域もさらに綺麗になり、HD-DAC1の持ち前のフィールドがもっと広く感じられるようになりました。ただ、ボーカル部分のクリアさや、低音域のところがもう少し感じられると…と思いました。ここは個人の好みですね。個人的にはあともう一押し…!

▶フルテックの【The Empire】を聞いてみます

フルテックの電源ケーブルTheEmpire フルテックの電源ケーブルTheEmpireのオスプラグ フルテックの電源ケーブルTheEmpireのメスプラグ

次は、フルテックのThe Empireです。このモデルも比較的安価ではないでしょうか。導体はPC-Triple C、電源プラグとインレットプラグはフルテック製のものです。

The Empireに変えた瞬間、私は「うぉぉ…これは好きな感じ…!」と思いました。フルテック自ら「低音域再生に自信あり」という紹介をしていますが、その言葉通り、とても楽しい低音域再生だと感じました。他レビューにもありますが、「The Empireは評判通りのパワフルさ、特に低音はグイっっと前に張り、電子ドラムであれば跳ねるようなビートが前に出てくる」印象です。個人的にR&BやHIPHOPサウンドが好きなので、The Empireは私と相性が良かったですね。

結論、The Empireはおススメの電源ケーブルです。

▶クリプトンの【PC-HR1500M-Triple C】を聞いてみます

クリプトンの電源ケーブルPC-HR1500TripleC クリプトンの電源ケーブルPC-HR1500TripleCのオスプラグ クリプトンの電源ケーブルPC-HR1500TripleCのメスプラグ

クリプトンのPC-HR1500M-Triple Cです。このケーブルにもPC-Triple Cが導体として使用され、電源プラグは「肉圧シルバー+ロジウムメッキと高比重エンプラ素材」でブレードは「脱酸リン青銅を採用」とのことで、クリプトン独自のものと思われます。

上記のThe Empireもよかったのですが、これはさらに上を行く感想で、個人的に今回の中でPC-HR1500M-Triple Cは1番オススメかもしれません。今回お借りしたケーブルの中では、最も癖が無く、バランスが良いケーブルと感じました。低音、高音が持ち上がる…というよりはフラットなサウンドというイメージが強かったですが、ボーカルは特にクリアで明瞭さが際立つ感じでした。残響音のような雑味も少なく、本当にバランスが良いケーブルです。ボーカルと楽器の分離感が絶妙と感じました。

取り回しも柔らかめで、そこもオススメしたいポイントの1つです。

▶サエクの【PL-9000】を聞いてみます

サエクの電源ケーブルPL-9000 サエクの電源ケーブルPL-9000のオスプラグ サエクの電源ケーブルPL-9000のメスプラグ

サエクのPL-9000です。このケーブルは導体がPC-Triple C、そしてPL-9000の電源プラグとインレットプラグはサエクのオリジナル特注プラグでフルテックのFI-50に金メッキを施したプラグを採用しています。商品定価は10万円を超えてきますね。

このケーブルはボーカルが少しウォームになると感じました。ボーカルの少し柔らかいイメージと、逆に楽器の部分は明瞭さが向上するような感想を持ちました。楽器のクリアさがジャズやクラシックなどのジャンルにはマッチするような、ザワつくようなところもない印象です。

このケーブルはガッチリした固さがあります。

▶ティグロンの【MGL-DFA10-HSE】を聞いてみます

ティグロン電源ケーブルMGL-DFA10-HSE ティグロン電源ケーブルMGL-DFA10-HSEのオスプラグ ティグロン電源ケーブルMGL-DFA10-HSEのメスプラグ

ティグロンのMGL-DFA10-HSEです。これまでのケーブルはPC-Triple Cの導体でしたが、このMGL-DFA10-HSEと上位のTPL-2000Aについては「ディップフォーミング無酸素銅」が導体に使用されています。ディップフォーミング無酸素銅については、前回のブログにメモ書きしましたが、従来とは違う製造方法で生まれた銅線ですね。伸線の内部から冷却する方法で無酸素銅を作り出す技法です。そして、電源プラグにはジョデリカのETP-850CU、インレットプラグは同じくジョデリカのETP-320CUが使用されています。その他、HSE処理でエージング処理がなされています。

このケーブルでは、ボーカルが中央にピチッと集まり、全体的にパワフルなサウンドになるイメージを持ちました。クリアな感じよりも、ウォームな印象が強かったです。ケーブル自体の太さ・柔らかさ共に、今回の中では最も細いので、最も取り回しはやりやすかったですね。

▶ティグロンの【TPL-2000A】を聞いてみます

ティグロン電源ケーブルTPL-2000A ティグロン電源ケーブルTPL-2000Aのオスプラグ ティグロン電源ケーブルTPL-2000Aのメスプラグ

ティグロンのTPL-2000Aですね。今回の電源ケーブルの中で、最も高額で様々な技術を盛り込んでいます。TPL-2000Aはディップフォーミング無酸素銅を導体に使用し、電源プラグはフルテック製のFI-50(R)NCFを使用、HSE処理もされています。

この【TPL-2000Aは、非常にクリアなサウンドで、”静かさ”が感じられるケーブル】でした。他のケーブルでは空気感にどこか雑味や滲みのようなものが感じられましたが、TPL-2000Aではそのようなものは感じられません。解像度が高く、ボーカルもピッタリと中央に明確にハマり、ナチュラルなイメージでした。音場も今まで以上に広々と感じられ、それでいて各楽器のポジションが分かるような、とてもハイレベルな印象を持ちました。

さすがに定価で20万円近くするケーブルは違うな…と。私は全く面識がありませんが、サンシャインの進藤社長が絶賛しているのも頷けます。TPL-2000Aはオーディオ銘機賞もグランプリを受賞しています。納得です。

▶フルテックの静電気対策アクセサリー【NCF Booster】【NCF Booster-Brace-Single】を試します

フルテックの電源制振アクセサリーNCFBooster フルテックの電源制振アクセサリーNCFBooster
フルテックの電源制振アクセサリーNCFBooster-Brace-Single フルテックの電源制振アクセサリーNCFBooster-Brace-Single フルテックの電源制振アクセサリーNCFBooster-Brace-Single

フルテックの電源タップf-TP615にThe Empireを用いて、NCF Boosterを設置してみました。f-TP615にBrace-Singleをはめ込み、HD-DAC1側にNCF Boosterを設置してみました。

設置自体は非常に簡便です。Brace-Singleは電源プラグに通してからコンセントに挿すだけ、NCF Boosterについては、台座の高さ調整をしてインレットプラグを受けるように置いて、上からホルダーを置くだけとなっています。ホルダーも重さがありますので、ネジ固定などは確かに必要なさそうですね。

まずは、両方同時使用の状態です。感じられるのは、【NCF Booster-Brace-Single】【NCF Booster】両方の同時使用で、音の粒立ちが向上したように思います。音の粒が丸みを帯びて、流れるようにしなやかになる印象を持ちました。逆に、どちらか一方のみの使用状態はというと、未使用状態とあまり違いが無いような…。その為、個人的には【NCF Boosterはセットで使用すること】を提案したいと思います。機器側とコンセント側の両方に使用するということですね。

Braceは1個口だけではなく、2個口用もありますし、NCF Boosterも追加ポールや、CRADLE-FLAT、TOP-CLAMPなどを追加すれば壁コンセントやケーブルインシュレーターとしても活躍させる事が可能です。

▶結果

さて、いかがだったでしょうか。今回はメーカー様に電源ケーブルをお借りして試聴をさせてもらいました。このような試聴をもっと重ねて、もっとブログを作っていきたいですね。リデライトオーディオは小規模ではありますが、せっかくオーディオアクセサリーの販売ができる環境にあるので、それらの魅力をできるだけ発信していきたいと思います。

私自身、様々なレビューサイトやレビューコメント、ブログは見ていますので、そこに新しい風を吹き込みたいです。こんなブログでも少しでも参考になれば…。

今回は電源ケーブルでしたが、他にも多くのメーカーがありますので、まだまだ試す余地はあります。それに今回は音源の送り出しをヘッドホンアンプにしましたが、次はプリメインアンプで試したいですし…。あとは、レコードプレーヤーも導入したいですね。(まだ置くスペース無いな…。)

次回はスピーカーケーブルやインシュレーターの試聴を試みたいですね。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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